胸腺が、重要な免疫臓器であることがわかったのは最近の事です。
胸腺の位置は、胸骨(喉の下方の硬い骨)の内側で、心臓の前面です。
胸腺は、妊娠2~3ヵ月頃に形成され、10代前半で最大サイズとなり、その後
加齢と共に小さくなり、40代で約半分、70~80代になると傷跡程度になっ
てしまいます。
このことだけでも、加齢により、免疫力が低下することがわかります。
胸腺の仕事は、免疫細胞を訓練することです。
すべての血液細胞の元になる肝細胞が流れ込み、やがて増殖・分裂します。
そこで、胸腺はリンパ球に対し、二つの厳しい試験を行います。
一つは、自己を認識できるかどうか。
もう一つは、自己と強く反応しないかどうかです。つまり、菌やウィルスなどに
よって侵されたときにのみそれを正しく認識し、自己に対しては攻撃をしないリ
ンパ球を選びます。
この試験にパスするのは、わずかに3~4%で、まさにエリートです。
パスしなかった残りは死滅する厳しい試験です。
余談ですが、試験にパスしていないのに胸腺から抜け出るT細胞もあります。
これらが、自己に対して攻撃する疾患が、慢性関節リューマチ、全身性エリテマ
トーデスなどの自己免疫疾患です。