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免疫からみた風邪のストーリー

風邪をうつされて数日後、鼻水とクシャミが出てきます。このとき、鼻や喉の粘膜では数え切れないほどのウィルスが暴れています。粘膜の表面にある繊毛が、ウィルスを外に出そうとします。鼻の粘液がウィルスを外に出そうとします。これが、風邪の初期の鼻水とクシャミです。
生き残ったウィルスは、粘膜細胞の内部に侵入します。すると、これに気づいたNK細胞(ナチュラルキラー細胞)がこのウィルスに侵入された粘膜細胞を殺します。そして、この細胞を、マクロファージ(貪食細胞)が食べて掃除をします。掃除をするので別名「掃除屋(スカベンジャー)」といいます。このとき、マクロファージは、サイトカインと呼ばれる物質を出し、敵が侵入してきたことを全身に知らせます。
この情報により、免疫で中心となるキラーT細胞が駆けつけ、感染した粘膜細胞を殺しながら、仲間を呼びます。ここで、生体とウィルスの戦いが始まります。
このとき、体は、38度を熱が出、激しい咳となります。筋肉痛も出てきます。仕事は休むことになります。
同じく、マクロファージが発した情報を受け取ったヘルパーT細胞は、B細胞に対し、「この敵に合わせたミサイルで攻撃せよ」命令を発します。そこで、B細胞は命令通り「抗体」という名のミサイルをウィルスに向けて発射します。
(ヘルパーT細胞は、免疫反応における司令官であり、自己または非自己の最終判断を下します。)
これが「抗原抗体反応」といわれるものですが、この後、ウィルスの感染力は弱まっていき、体は少しずつ楽になっていきます。
ほとんどの人は、病院に受診して薬をもらうか、薬局で風邪薬を買って飲みますが、薬は風邪の症状を軽くするだけのものであり、風邪が治ったのは、生体の免疫機能がウィルスに勝ったからなのです。風邪のウィルスの特効薬はないのです。

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