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咳喘息とは

慢性咳嗽(まんせいがいせん)の種類

慢性咳嗽(慢性の咳)とは、8週間以上続く咳のことです。痰が出る湿性咳嗽、出ない乾性咳嗽があります。
咳(咳嗽)とは気道に入った異物を外へ捨てる重要な生体の防御反射です。横隔膜や肋間筋の強くて早い働きにより秒速約10メートル以上の速さになります。ですので、1回の咳で約2キロカロリーが消費されるといわれています。したがって、慢性の咳は、体力を消耗します。
慢性の咳の原因でよくあるのは、気管支喘息(咳喘息)、胃食道逆流症、後鼻漏などです。
咳喘息は気管支喘息の前段階と考えられ、通常の咳止め薬が効きません。夕方あるいは早朝に咳き込むことが多く、典型的喘息の特徴であるゼーゼー(喘鳴)がありません。気管支拡張剤が効きます。
胃食道逆流症は、中年以降に多い病気で、横になると咳がひどくなるので、喘息(咳喘息)と似て、夜間の咳となります。寝ている間に逆流した胃液で、起きたときに口の中が苦く感じることがあります。
後鼻漏は、蓄膿症などによる鼻汁が喉に入っておきる咳です。鼻疾患が治れば、この咳もなくなります。
そのほかの慢性咳嗽の原因としては、肺結核、百日咳、肺非結核性抗酸菌症、百日咳、心臓喘息(心不全)、気胸、肺膿疱、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、びまん性汎細気管支炎、塵肺症、過敏性肺塵症、間質性肺炎、気道内異物、肺ガン、気管ガンなどがあります。以上のどれにも当てはまらない場合は、心因性が考えられます。心因性の咳は、睡眠中に出ないことが多いようです。
咳喘息の鑑別にはガイドラインを利用します。

咳喘息の治療法

咳喘息の治療方法は、喘息の治療法とほぼ同じとする考えもあります。咳が長引いている人には、咳喘息を疑う必要があるようです。
問題は、診断ですが、ガイドラインも出ていますが、咳のみを主たる症状とする軽い気管支喘息と考えればよいとする医師もいます。
診断基準として、気管支拡張剤が効くというのがありますが、治療においてキーとなる薬は吸入ステロイド剤です。そして、必要に応じてβ2刺激薬を中心とした気管支拡張剤あるいはロイトコトリエン拮抗薬を併用するということになります。
薬で症状が改善または消失した場合、いつまで薬を摂り続けるかということが問題になります。
咳喘息の約30%が喘息になるという報告があるので、長期に薬を摂ることが必要という考えがありますが、ステロイド剤の長期摂取を批判する考えもあります。
患者一人一人に対し様子を見ながら判断するということになるようです。
まとめると、咳喘息とは、咳を唯一の症状とした軽い気管支喘息で、治療はステロイド剤の吸入を主とし、気管支拡張剤あるいはロイトコトリエン拮抗薬を併用するということになります。

咳喘息のガイドライン

咳喘息は喘息ではありませんが、喘息の前の段階と考えられています。診断はやや難しくガイドラインが発表されています。

咳喘息の診断基準
1.喘鳴(ゼーゼー)を伴わない咳嗽(がいせん=咳)が8週間以上続く。聴診でもWheze(呼吸音で笛声音)がない。
2.喘鳴、呼吸困難などの喘息の既往歴がない。
3.8週間以内に上気道炎にかかっていない。
4.気道過敏性が亢進している。
5.気管支拡張薬が効く。
6.咳感受性は亢進していない。(咳をしやすい状態ではない)
7.胸のレントゲン写真で異常がない。

○咳喘息の簡易診断基準
1.喘鳴を伴わない咳が8週間以上続き、聴診でもWheze(呼吸音で笛声音)がない。
2.気管支拡張薬が効く。

今後、患者が増えることが予想されています。
これに伴い、高齢者の咳について注意が向けられています。
高齢者の咳は、咳のメカニズムが正常に働く人や、低下している人など個人差があり、そのうえ、他の病気の薬を飲んで咳の反射が低下していることもあります。
咳反射が低下する病気としては、脳血管障害、パーキンソン症候群、認知症、薬(ドーパミン阻害作用を有する睡眠薬、向精神薬)などがあり、咳喘息の診断を難しくしているとともに、誤嚥性肺炎を引き起こす原因となっています。

東京アレルギー・喘息研究所の佐野氏による「問診による咳喘息の見分け方」があります。
・夜半から明け方にかけて咳・痰・呼吸困難などがある。
・他人のタバコの煙はどちらかというと嫌い、または気になる。
・電話や長話をすると咳が出たり、喉が渇いたりする。
・寒暖の差や電車などの人混みで咳が出やすい。
・他人の香水やケミカルの強い匂いはどちらかというと嫌い、または気になる。
これら5つのうち、3つ以上あてはまれば高率で咳喘息です。
「Q&Aでわかる アレルギー疾患 2008 Vol.4/No.3 より引用改変」

アトピー咳嗽(がいそう)とは

慢性咳嗽(長期間の咳症状)で病院に受信する患者が増えていますが、診断・治療が簡単ではありません。
慢性咳嗽(まんせいがいそう)とは、8週間以上続く咳が唯一の診断症状であり、胸部レントゲン検査やスパイログラフィや身体を診ることでは特定できないとされています。
喘鳴(ぜいめい)や呼吸困難がなくて、慢性の咳だけがあり、β2刺激薬などの気管支拡張薬が有効な症状が咳喘息ですが、気管支拡張薬が効かない慢性咳嗽の患者で、ヒスタミンH1拮抗薬が効く症例があり、これをアトピー咳嗽(がいそう)といいます。
アトピー咳嗽とは、「アトピー素因に関与する咳感受性亢進を伴う好酸球性気管気管支炎」とされています。ここでいうアトピー素因とは、過去または現在アレルギーである、またはアレルギーになる可能性がある素因という意味です。
アトピー咳嗽は、喉のイガイガ感を伴う持続性乾性咳嗽が唯一の症状です。喘鳴、呼吸困難発作がない。エアコン、タバコの煙、会話、運動、精神的緊張などにより咳が誘発されやすい。などが特徴です。
咳喘息とアトピー咳嗽との違いは、咳喘息では、β刺激薬の気管支拡張剤が咳に効きますが、アトピー咳嗽では効きません。それから、咳喘息は典型的喘息になる可能性がありますが、アトピー咳嗽ではそれがありません。
アトピー咳嗽の診断基準には、「臨床研究におけるきびしい診断基準」と一般臨床における「やさしい診断基準」があります。

咳喘息とは一覧

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